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  • 2015.10.23 Friday
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云い知れぬ某

紡いだ文章が消えた。ありふれすぎている出来事だ。


出張は移動と待機が大半なので、読書だけはやたら捗る。遠藤周作、武田泰淳、山本清風、手塚治虫、伊藤潤二これらを丁寧に読み込んできた。iPadの利便性に唸る旅だった。


本来私はここでエヴァQのマリについて考察をぶちたいのだが、先んじて山本清風に見解を頂いたのとそこに加えて先頃就業体験で会社へやってきたエヴァにたいへん造詣の深い中学生とそれについて仕事もそぞろ問答に次ぐ問答を重ねたところ、思いのほか彼が感動してくれたのとでちょっと満足してしまった節がある。ロンダルキア以降ドラクエ2の難易度が異常なのは製作の時間不足に因ったことや、ビアンカ厨の童貞傾向などしたり顔で語る彼は紛うことなきニコ厨で、同時に回顧厨でもあり、後追いとしてはまこと正しく万事の二十年前に詳しかった。リアルタイム世代には及ばないが、という歳上を敬うが如き枕を添えながら、それでも昔のゲームアニメを振り返りつつ同時に現代に流行る様々を並行して吸収してきた身なればこそ、対比論気味に延々と語られる彼の考察はたとえそれの大半が受け売りであったとしても感嘆に値した。世界崩壊前のシャドウ救済に気付かずやり直したFF6は、バニシュデスとフェニックスの尾とドリル装備のある以上自らプレイを縛らないことには楽しみも何もあったものじゃなかった、それにしても俺TUEEEEが出来た当時の裏技要素は課金の形でしっかり継承されており、面白い裏技が少しでも長いプレイ時間をもたらしたり或いは一定の購入意欲にも繋がった面を考えたら課金増強も当時の裏技も製作側の意図はそう変わらない、課金システムがなかった頃には遊び心と褒められて、金が大きく動いてみれば批判されているんだから消費者も大概だなど、どうでもいいことに対してやたら尖りまた溢れんばかりの薀蓄をアラに塗れつつも垂れるさまに若いのだか老け込んでいるのだかわからぬと思ったがそれこそが中学生であると自身を振り返って認識してみればこそ、次世代の情報量に足の竦む思いがした。


「みんな君ほど掘り下げているのか?」
「もちろんクラスにも話し相手はいますが、それは生身だから、別のところに友情があるから、ただ共有しているっていうレベル。煮詰まった話はネットですね。僕なんか全然ですよ」
「ふぇぇ」


これがネット世代なのである。ただ、彼の中に醸造されつつある巨大な不毛が大なる負のエネルギーとなり発露に至るまでには今少し苦み走った思春期を送らねばならぬのだろうと察するには充分すぎるほど、彼は他にもやってきた生徒から酷いあだ名で呼ばれていたのである。だから私は、彼以外に労役を課すことで大人の贔屓というものを見せつけてやった。質問尽きぬ知識欲旺盛な彼が性的でなしに可愛く思えてならなかったのである。


「宗教について教えて下さい、キリスト教と仏教はつまり何が違うのですか」
「日米で考えてみよう。日本人の倫理観の多くは仏教に由来しており、根っこにはニヒリズムが蔓延る。消去法から生を択ぶと一語に尽くせば虚しいが、煮詰めた上の結論なのだから外人の考えるような悲観はそこにはない。理があるということである。諸行の無常なればこそ持たざる者の徳は未だ高く、行き過ぎた富を得る者への声は厳しい。

対してキリスト教特にプロテスタントの観念強いアメリカでは得る自由無限にして、持たざる者へ施すことをこそ徳とする。あちらボランティアが異常に盛んなのも倫理観の相違を知れば然りというわけで、なにかにつけ上から目線が気になりがちなアメリカ人だがそれは彼らにとって善行であり実際に触れぬことにはついぞ分からぬ優しさがある。理があるということである。人の成功を喜び同時に己の大成を信じる。

キリスト教は愛を説き、仏教は慈を説く。キリスト教は与える悦びを説き、仏教は与えられる悦びを説く。キリスト教は生きる意志を説き、仏教は生かされる意志を説く。神は自身に内在するとはいずれの宗教にも説かれる言葉だが、能動と受動の二元に還される両宗教なのだから自ず言葉の意味合いもそれぞれに異なる。あとは自分で本をよく読んでついでに女神転生をやり込んだらいい」
「なんでそんなに色んなことに詳しいのですか」
「禿だからだ」


私が久しぶりに生身で熱弁を奮った相手は実に、ふらりと現れた中学生であった。


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