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  • 2015.10.23 Friday
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故ちゃつぐ

人生のうち最も廃れていた頃に高円寺で出会った一人の若者がいた。北野武と松本人志とドラえもんとビートルズを愛好する男で、あだ名をちゃつぐと云った。彼はお笑い芸人になりますと大学に通いながらお笑いの学校へも入り、日夜修行を重ね、表現者として日の目を見るため漫才やコントを草の根活動的に様々の場所にて行っていた。そのたび私も観に来てくれとの誘いを受けたが、金がないのと気が乗らないのとが交互に襲ってくる形でついぞ一度も見ぬままに、気付けば疎遠となっており、それでも時折ふと彼を思い出すのは聖教新聞が犬の糞紙になっているのを見かけるためである。彼に誘われて行った飲み会の先に、良い奴だが学会員の女がいた。


年齢的には先輩で、しかも彼に先駆けて社会人であった私は、しかしながら彼の金を貪っていた。酒行こうぜと誘うのはいつも私だが、土壇場になって金がないことを打ち明ける。こっそり云っても意味がないので、むしろ威張って財布を開く。そのたび、貴方は頭がおかしいと彼は云った。確かにそうかもしれなかった。当時、私の口から出る話題は全て、ただ一人の女性に関するもののみであったから、ちゃつぐは金よりむしろ会話の輪廻に怯えていた。


今ならば私も面白い話ができる。重荷となっていた蕎麦屋が完成しそうだからである。とても面白い話を聞かせてやりたい。コントのネタとしてパクれそうなクオリティを提供したい。だがちゃつぐは死んでしまったのである。急なる報せを聞いたのは私のすっかり寝入った昨晩深夜、ちゃつぐが死んだとふいにそう云われた。何故? 夢ある若者から夢を奪って何となろう。私は世の不条理に頭を垂れる。鏡に映った頭頂部がどえらいことになっていた。しかしちゃつぐは死んだ。


二十代最後の年を迎えようとしている。



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  • 2015.10.23 Friday
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コメント
殺さないでください。
生きています。

大人のスイカ割りなんかしていないで奢ってください。
貧困甚だしく、奢られる準備は万端なのでよろしくおねがいします。
消費税ぐらいは払いたいと思っています。
  • ちゃつぐ
  • 2011/09/10 1:09 AM
ちゃつぐ

生きてたか! 死んだと聞いたぞ、夢の中で。消費税以外は払っていない生活を送っているらしいけれども、かたや俺は昨日、コナンドイル調の十万円のセットアップと一冊の黒魔術辞典を、秋の行楽用に即金で買いました。金がない生活は楽しいが、金のある生活はもっと楽しいから、早く売れて人気芸人の金銭感覚というもので俺を嫉妬羨望に狂わせて欲しい、東京の美味い焼き鳥を食わせて欲しい。一本五千円、フォアグラの串焼を振舞って欲しい。それまでは泣いて待つ。

とりあえず十月には都内へ行くことも多かろうから、連絡下さい。
宛先はこちら
nekokinekoki@hotmail.co.jp







  • 本人
  • 2011/09/10 3:41 AM
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