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  • 2015.10.23 Friday
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管蠡秘言

 題目の書を記したのは前野良沢という江戸の有名な蘭学者で、解体新書が殊に世に知られる。wikipediaには『世の中には捨ててしまうと絶えてしまうものがある。流行りものはどうでもいいから、廃れてしまいそうなものを習い覚えて、後の世に残すよう心がけよ』こう説いたとある。ときめいた。


 管蠡秘言(かんれいひげん)は四元説を是とし、陰陽五行説を否定する。一に曰く地、二に曰く水、三に曰く火、四に曰く空(空気、風)。ファイナルファンタジーのクリスタルに結実したギリシャ以降の思想だ。中華から西洋へ、という内容となっている。正誤あやしいふりがなを勝手につけさせて頂きながら少し引用すると、


畧(りゃく)説  地球


球は●玉を云う、然(はじ)め支那、古(いにしえ)は地の本形を知らずして地は方にして●局の如しと云い、或いは地下に四註ありと云うなど、虚説をなせり。後世に至って欧羅巴(ヨーロッパ)の天地学をしるに因ってはじめて球と称す……支那は唐虞(とうぐ)以来数国を●めて古より一定の国名なし。「シナ」と云うは欧羅巴及び印度等諸亜の邦(くに)より称する……吾が邦より「モロコシ」と呼ぶが如く、古今の通称なり。故に●を以て称す、欧羅巴とは六大洲の一にして乃和蘭都●洲内に属する國なり。


 といった具合に、虫食い状態になりつつも東洋思想を否定していることはどうにか私にもわかる。全文この調子で、当時の影響いざ知らず、現代人の実学とするにはほど遠い。本作から読み取れる西洋はいずれも科学革命以前で、同時代最新の学説を次々と取り入れていたわけではないらしい。そうとなればイエズス会が中華へ広めた知識を中華の文献頼って接収したとするのが妥当だろう。蘭学のほか雑多に持ち合わせていた西洋に関するいろいろの知識が、批判の矛先たる中華を経由していたというのが本書の面白い点で、惜しむらくは面白さに気付くまでに挫折のポイントが多すぎるのと、やはりかなり面白くないという点、これらに尽きる。私は、興味深いところを網羅するに帰宅から就寝直前までの時間を費やし、それなりに骨を折ったので、読んだ意味がなかったとは云わない。


 ありとあらゆる希少な書物がPDFで保存されているので、また変なものに手を出してしまうかもしれない。

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