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  • 2015.10.23 Friday
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便所の星

 洋の東西を問わず甲冑は頼もしい。全身を覆ってしまえば怖くないとは安易な発想だけれども、その愚直さゆえ甲冑はああまで徹底的に肉体を保護する。


 私は仕事の間中、甲冑を着込みたい。それは別にうっかり角棒で頭を強打した先日からの反省ではなくて、心に甲冑を着込みたい。一語に尽くせば肌が合わない。合わせようにも合わせられない。適応能力の限界である。とはいえ七年前から知っていた。


 どちらが善悪だとかそういう話ではなくて、世の中にこれだけ多くの職種が有象無象としているのはやはり適材適所の真理があるからだろう。口に出しては言わないが、みなもきっと何かしら私に対して違和感を覚えている。どうして私はこの人たちと一緒にこれをやっているのだろうと、私が放心するよりも、どうしてこいつは俺たちとこれをやっているのだと、周囲こそが明らかに鋳型の異なる私をまじまじと眺めてそのたびムシャクシャしている。私が逆の立場なら、あいつはクビにしたほうがいいんじゃないかと進言するほど今の私はたいしたことをやっていない。温度の低いルーティンワークに本気を忘れてしまった惰性の日々、されど時間は忙殺されてしかもミスは無限に募っているのだから本格的に使えない。或る実力派服飾デザイナーが言った。


「車の免許を取りに行ったら、あまりの下手糞さにこれまで育んできた自信を失った。私のやってきたことは何だったの。態度悪辣なヤンキー共はどんどん上達するのに、私だけがいつまでも下手で」


 彼女の本領と運転技術の稚拙は無関係、それによって生じる株の上下も本来はあったものではない。ところが、たったそれだけでも精神的な挫折というのは大いに発生するのである。そうとすれば役に立たない領域が免許のような余技にはあらで、人生の主戦場たる労働環境に符合してしまった私が、いきおい地場のプロレス団体に所属しても、やむなしの思いでどうか責めないでほしい。


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