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  • 2015.10.23 Friday
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鉄骨ラーメン構造

 さあ私は前世こそ人であったが今では自分が何者やらわけがわからぬ。


 生まれたばかりというのに、私は今まさに、高い地点から結構の速度で落下している。意志にかかわらず?が回転を止めない。臍を軸に、実に規則的な回転を続ける。頭を下に逆立ちの姿勢で固まると、こんどは波風にさらわれ沖へ消え行く小舟の如く、右へ右へと強制的に流され始める。どこまでゆくのやら案じているとそのうち巨大な壁が見えてきた。その容赦のない壁面に全身を強く打ち付けると、横移動が終わった。
 

たちまち、経験したことのない圧倒的な速度で落下を始めた。地上に視線を落としてみれば凸凹としたビル群、しかし私の落ちる先だけがばかみたいな更地になっている。驚くべきことには、この新しい私には、ばたつかせるべき手も、もがくべき脚もそなわっていないようで、ビルとビルの狭間を滑降する最中に窓硝子に映ずる己を眺めて更に驚いたことには、  


 なんと私の正体は、実に全く、一本の、太い棒状の、鉄骨ラーメン構造の、ビルであった。


「びしっと実に魚雷の如く、正しく『きをつけ』の姿勢のまま地面に激突してね、こうたん☆」
 

 なんという新生であろう。あがきすら用意されていないのである。してみれば地面に凹凸を醸すビル共もまた、私のように生まれては死んでいった先人たちであろうか。私は、テレビ画面の向こう側に広がるゲームの世界の正体は、ただのドット絵で、そのドット絵は人間の想像力という助けを借りてはじめて意味を備える、生物としての意義を備える、そんな受動的で鏡面的な存在であるとばかり生前には思っていたのだが、いざ画面の中に生命を宿してみるとその過ちを悔いるよりはむしろ、どうしてテトリスだったのか、きゃんきゃんバニープルミエールでは何がまずかったのか? 人生の本質ではなく、形式を呪詛したまま、四列の亡骸の隙間に突貫して、もろとも消失した。  

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