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猫木氏ブログをやめる⑤

「面白いことありましたか」
猫――何線だったか忘れたけれど、電車の吊広告に川柳が幾つかあった。コンクールの優秀作品であるらしい。はじめこそ感銘を受ける何物をも見つけることはなかったが、『見渡せば 携帯電話の ショールーム』という句を詠んだ人間がホレイショという名であることに気付いてだな、これは風刺、感心した。ホレイショというのはハムレットの親友だが、この詠み手の引用元はシェークスピアではなく藤村操の辞世句だと俺は踏んでいる。曰く不可解でお馴染みのあれだ。電車内すらもが資本主義にまみれている現代を嘆いては、名前と句に皮肉を籠めぶつけているというわけだ。高等だよ。鉄道会社側が本意に気付かず掲載しているところにユーモアがある。高踏だよ。そうして面白いだろ。
「ごめんなさい、全然面白くないんですけど」
猫――何が面白いのだ。
「頭を使わなくても良いもの」
猫――白楽天みたいなことを言うな。あの偉大なる詩人は、紡いだ詩を無学の民に聞かせては、理解されぬ語句があればその都度平明に書き直していたそうだ。誰にでも分かり且つ誰もがおかしい、確かにこれが最善であることは間違いない。
「ふん」
猫――とはいえ漢詩には厳密なルールがある。ひらたくする中にも天才の技というものが随所にちりばめられている。
「はあ」
猫――まあ、この話はきっとつまらないからやめておこう。
「空気の読めるはげ」
猫――のみならず詩も詠むからうざったい。
「パワーストーンの娘、どうなりました?」
猫――変わらずクリスマスに会う予定ではあるのだが、前回逢瀬を楽しんでからの時間が空いてしまったせいか、双方に熱情の冷え込みが見られる。
「まずいじゃないですか」
猫――うむ、しかも絶対に俺のこと好きじゃないからな、彼女。
「ダメじゃないですか」
猫――加えて俺も好きじゃないんだなこれが。
「なお悪い。意味あるんですか?」
猫――忘却の手段として書き換えを試みるつもりだったのだが。このままじゃ会わない可能性もある。何せ冷え込みが凄いんだな、ここ数日間。ギャラ不払い問題その他、万障繰り合わせて待ってはいるのだけれど。
「結局待ちなんですか(笑)」
猫――黒塗りで横付けしてさらっていくような身分ではないから。
「極端過ぎますよ」
猫――しかしこの状況を指して幼児虐待と呼んだ女性もいたわけだ。例の女性を忘れたいがため、取っ替え引っ替えに他の女性をあつらえては、やっぱ無理別れようの如きを繰り返し、結局それら女性達当分引きずるであろう傷心を負わせる自分の姿をだな、負の連鎖と呼ぶ大人の女性がいた。
「なるほど」
猫――まあ、そんなことはとっくの昔から気付いているわけで。思えば自分だって某かそのような渦に呑まれて今に至っているわけだから。おっとメールが来た。
「誰ですか」
猫――パワーストーンだな。会うのやめようとのこと、こいつはガビーンだぜ。
「笑」
猫――タイ料理屋の予約をキャンセルしないと…。
「プレゼントの用意はなかったんですか」
猫――そんなに高級なものをあげるつもりもなかったしな。せいぜいが画集か詩集。ビジュアルバムはあげない。だって…複数の女に同じものをあげる男は頭がおかしい。
「画集、詩集って。勘弁して下さいよ」
猫――芸術をバカにしちゃいけないよ。誰だって、貰って嬉しい本くらいある。
「じゃあ前の彼女から貰った絵本、どうしたんですか」
猫――ああ、読む前に捨てたわ。いや、まだあるかな。分からん。
「外道ですね」
猫――あれを俺に渡す時点でおかしいんだよ。書物というのは精神の装飾具だ。だから相手に似合うものを選ぶべきだ。よっぽど己の個性に自信があって、それを押し付けたいのなら話は別だがな。しかしながら俺には、美女にステテコをあげるような度胸はない。その点、大昔の彼女はプレゼントに仏像の頭を寄越したことがあって、分かっているなと思ったよ。
「私、貴方に絶対プレゼントしたくないって思った」
猫――いや、本来プレゼントってそうあるべきだろう。良く知る相手だからこそ、値段こそ安いが痒いところに手が届いたような気の利いたものを渡せるし、渡したいと思うんじゃないのか。別に何を貰ったって嬉しいんだぜ。ただ、プレゼントというものに価値を添えるのがカネだけじゃないとするなら、それにかわるはセンスであり、思いやりであるはずだ。
「理屈っぽい」
猫――お前が何も考えていなさ過ぎなんだろう。
「普通そこまで考えない」
猫――男女って、あれだな、圧倒的に男のほうがロマンティックだよな。
「でもそのロマンティックを男に与えているのは私達女のコでしょう」
猫――確かにそうだ。ロマンティックあげるよ※、とは良く言ったものだ。実際、例の女性には人生五百万回分くらいのロマンティックを貰ったからな。おかげで頭がバカになりました。
※ドラゴンボール
「何で男の人ってそんなバカなの?」
猫――男をバカだと思っている女性がバカだという意見もある。
「そうなのかな」
猫――男という生き物はだな、どんなに強がろうが結局、女性がいないことには生きていくことが出来ないんだ。それを逆手に得意気になられても、こちら困ってしまうぜ。たまに弱気を見せたところで、はいはいしょうがないね、それっくらいの甲斐性が欲しい。君ら女性は男にとって必要不可欠の存在なんだから、その圧倒的な有利を分かって欲しい。いい女というのは、その有利を分かっていながら強いて威張ってこない性質を備えている。奥ゆかしさだ。これはMとかSとかそういう話じゃない。
「いいえ、凄いM」
猫――ばか、違うんだよ。Sの男だからって、女なんぞいなくて良いとは言わないぜ。これは男性性の特質だ。男がみなマザコン的であるというのはつまりこういうことだと思うんだよな。女性というものを母親に置き換えた場合、ずばりだ。
「でも女性だって女性だけじゃあ生きていられないでしょう。別に私達だけが有利ってわけじゃないと思う」
猫――それは俺は女性じゃないから何とも言えない。しかし君らは産むことの出来る人間であり、俺らは出来ない人間、一方通行的に生まれてくるばかりが能の人間だ。男女間の決定的な差はそこだ。1960年以降、男女平等を求めるウーマンリブ運動が勃興、男性同様の労働条件その他、先達の逞しい活動によって近年ようやくそれら成就しつつあるが、考えてみてくれ。なるほど女性は産まないことで【社会的な意味】においては男性になれるかもしれない。しかし我々男性は、決してなれんのだぜ。どれだけ産みたくとも産めない。女性の権利ばかりが伸張してくれば、今後はリバースディスクリミネーション、つまり逆差別みたいな事態が勃発するだろう。現に、無職男はニートだが無職女は家事手伝いという不可解な認識のあるせいで、同じ無職であるにもかかわらず、男は就職により苦労している。家事手伝いという概念は出産というカードを持っているが故に成立するものであって、それは男には永劫備えることは出来ん。
「はぁ」
猫――祭りのポスターに中年の脇毛が映っているのがわいせつだとかいうので撤去されたりもしたな。あれなんぞは全くもって不可解だ。精神的な苦痛と言うのだろうか。しかし男は男で精神的な苦痛を与えられているのだぜ。例えば町中の若い女は夏になればローライズで尻の割目をがっつりと出している。触ったら当然逮捕、しかし男に女以上の性欲が備わっているなんてことは社会的に自明であって、どうして慮られるのが女ばっかりなんだよという意見が出てきたら、これは同次元の問題だと思うんだよな。屁理屈みてぇな理屈だが、フェミニストの理屈がそもそもからして屁理屈ばっかりだから、男もこういうくだらないことを言わざるを得ない。こうなったら泥仕合だ。だからこそ、女性にはもっと鷹揚と構えて欲しくある。
「んー」
猫――我々男が男という生き物から脱却出来ないように、女だって女でしかないんだよ。だから、出産可能である肉体を持つが故、当然女性特有の問題というものが出て来る。男と同じ土俵で勝負したい人にとっては出産という機能は邪魔になろうし、一方怠けたい人にとっては絶好のカードとなる。たとい産まなくとも、産めますという在り方そのものが、必然的に甘えを許すからな。
「なるほど」
猫――だから、女性性を否定するも肯定するも、揉めている相手は男というよりむしろ、同じ女なんだよ。その女同士での内ゲバはところがメリットを享受したい人間とそうでない人間とで永遠に平行線を辿っている状況だ。足並み揃えてもらわないと、こちら男としては対応のしようがない。ジェンダーを超えた全くの平等なんぞというものを本当に女性が望んでいるとは思えないから、足並みが揃うこともないだろうがな。
「で、何が言いたいのでしょう」
猫――女性は貴いということだ。
「女大好きですね」
猫――ちょっと違うな。女、というよりむしろ美だな。
「美、ですか」
猫――オスカーワイルドの言葉を借りれば、善良であるよりは美しくあるほうが優れているし、容貌という魔法だけでそのおこないが優しく、愛すべきものに変わる。
「美人に甘過ぎやしませんか」
猫――いいんだよ。魅力的な人間とは甘やかされた駄々っ子である、ワイルドはこうも言った。努力とかそういうものを超越してだな、貴いものってのがあるんだよ。
「それが彼女ですか」
猫――天恵は選ばれた者にのみ宿るからな。そういう人間を目の当たりにした時、それまで最も大切なものが自分自身であったところが、たやすく価値崩壊を起こすのだぜ。
「どうなりますか」
猫――『我思う故に我あり』だったところが、『彼女我を思う故に我あり』となる。
「彼女なしではいられないというわけですか」
猫――そういうことだ。
「もういないじゃないですか」
猫――さいしょっからいなかったという説が大勢だ。
「どうするんですか、クリスマス」
猫――昼キャバ行って、夜キャバだな。
「不毛!」
猫――嘘だよ、実はアヒルボートに乗っている最中に大事故に見舞われた友人がいるから、つきっきりで介護しようかなと思ってる。
「あ…」
猫――まあ、嘘だけどさ。
「大丈夫?人として」
猫――その台詞、前にも彼女から言われたことがあるよ(晴れやかな笑顔で)。
「歯ァに肉カスついてますよ」


 続きます。

 

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