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  • 2015.10.23 Friday
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猫木氏ブログをやめる①

『私も赤貝になりたい』
 猫木氏からこんなメールをもらって彼宅に伺うと、彼は裸で宅配ピザを食べていた。
「セクハラ?」
「いや、ブログやめよっかなって」


 というわけで、彼はもうブログをやめてしまう。私は枕元にテープ起こし用のレコーダーを見つけ、即座にRECを押しました。いきなりのブログ終了発言にいたる経緯を聞いておきたかったから。そして、このブログを見ている人達にも説明しておきたかったから。ここから先は、彼と私の会話のやりとりです。


「どうしてやめちゃうんですか?」
猫――書きたくないというか、書けないんだよな文章がこれ以上。
「原因はあるんですか」
猫――思考が引っ張られてしまうというか。
「原因は」
猫――何をやっても集中出来ないんだよね…。もうこんな状態が3年続いているよ。
「だから原因は」
猫――失恋というか、何というか。
「彼女?」
猫――いや、彼女ではないな、確実に彼女ではない。
「誰ですか?」
猫――誰って、名前とかは言えないよ。
「どんな人ですか?」
猫――度を超えた美人というか、日本人離れしたというかね、文字通り。
「どうやってそんな人と知り合ったんですか?」
猫――まあ、話せば長くなるんだけど、簡単に言えばブログだ。当時俺は静岡に住んでいて、あの頃は色んな鬱屈が溜まっていてさ、気違いみたいな文章を紡いでいたんだ。今よりもずっとこう、初期衝動的な。俺の隣で屁をしたガキに屁を仕返してやりましたみたいな。
「それは酷い」
猫――ところがだ、そんなブログだったことが幸いしてか、読者は割と多かった。コメントも20とかね、景気良かった。始めた動機にも過激を求めるみたいなところがあった
から、みんなキワモノを見る具合におかしがっていたんじゃないかな。ブログもぜんたい黎明期みたいなところがあって、面白いものをブログに求めるって風潮があったよね、今よりは。素人が調子に乗っていて、自分も大いに調子に乗っていたよね。
「はあ」
猫――それで、そうこうするうちメールを寄越してきたの。或る女性が。その時はまあ、それ以前にも何人か会ったりしていたから。またその類いかなと思ったんだ。
「ブログの出会いってどんなですか?」
猫――いや、普通だよ。互いに面白がって会うわけだから、話も合うし。世に散らばる社交的でない文化系人間も、ウェブを通じればこうもたやすく繋がるかと思ったね。
「で、その女性に会ったと」
猫――そう。彼女は東京人だったから自分は車を走らせてね。二子玉川に集合したのかな。俺方向音痴だから土地勘がないところには行けないんだ。二子玉は家賃が高くてさ、自転車も2回盗まれたしまずろくでもなかったな。友達も二子玉に越してからは全く寄り付かなくなったね。徒歩20分だからな。いやー二子玉は…(以下略)
「二子玉はどうでもいいです。で、彼女に実際に会ってビックリしたんですか」
猫――ビックリしたなんてもんじゃないよ。今でも覚えてるわ。あー、思い出したらまた頭が狂ってきた。
「しっかりして下さい」
猫――いやいや、まじで。
「まじで、じゃないですよ」
猫――まあそうなんだけどさ。とにかく、理想の女というものがこの世に存在したことにまず衝撃を受けたんだ。あれは凄かったな、なんだこの人と思った。
「そんなに美人なんですか」
猫――のみならず、頭も抜群に冴える。自分よかよっぽど聡明でさ、そりゃ頭の良い女性なんて腐るほどあるが、あの美貌にこの知性かってね。完璧だった。だいたい、自分の周囲の頭の良い女性ってフェミニストばっかりだったんだけど、この人は全然違ってね。男を立てるんだ。下ネタ的な意味にもね、立てる女性だよ。それまでカエラカエラって言っていたけど、あれからはもうめっきりカエラは自分の中でどうでも良くなってしまったな。
「じゃあその人はカエラに似てるんですか」
猫――いや、全然似てないよ。ただ或る一面においては似ている。
「一面て何ですか」
猫――それは言えない。
「でも理想がカエラだったのに全然似てないその人も理想ピッタリなんておかしくないですか」
猫――ばか、理想ってのは元来からしてが不定形なんだよ。定まらぬからこそ理想なんだよ。定めてしまったら現実の在りものと変わらないじゃないか。理想というのは非常に抽象的なパズルの1ピースみたいなものだ。彼女はつまり自分の理想を規定したんだよ。理想という抽象の枠を具象に還元し、そこにピッタリと嵌り込んだんだ。イデアが地上に落ちてきた、プラトンもびっくりだぜ。
「そんな掌編がありましたね、以前のブログに」
猫――最後の1ピースとか言ってね。懐かしいな(笑)。しかしとにかくだね、これは大変なことなんだ。代替不能の存在ってことはもう、誰が目の前に現れてもこの理想にピッタリ合致する人なんぞはあり得ないってことなんだ。
「つまり、手に入らなかったことに絶望しているんですか?」
猫――手に入るとか入らないとかそういう次元で話をすれば、そういうことにもなる。
「よく意味が分かりません」
猫――月に梯子はかからないというかさ、手に届く次元ではないのだよ、彼女は。
「負け宣言ですか」
猫――負けとか勝ちとかそういう次元で話をすれば、そういうことにもなる。
「よく意味が分かりません」
猫――だから、はじめっから、わあ有り得ん、そう思ったんだよ。しかしながら、俺はどういうわけか彼女と付き合えるような気がしてしまったんだな。
「勘違いですか」
猫――勘違いというか、簡単に言えば器が足りなかったってことだ。
「器が足りない?」
猫――なんかもっとこう、俺が強大なスーパーパワーだったり、目をくり抜かれてもそのまま会社に行けるような豪気の男であったらば、そうなれたかも分からない。でも俺はあれじゃないですか、器小さいじゃないですか。
「ええ」
猫――加えてルックス的にも、難あるじゃないですか。
「ええ、最近特に」
猫――そんなわけだから、無理だろう無理だろうと思いつつ、静岡に戻ってからも彼女と連絡をとり続けていたんだ。始めっからびびりまくり。そりゃうざったくもなろうよ。
「まさか親の会社を辞めた原因ってその人!?」
猫――違うよ、それはもっと前から決まっていたんだ。結果的に彼女の住む東京に行くことにはなったんだけどね。
「それで、東京に行ってからは彼女とうまいことなったんですか」
猫――それがさ、東京に住み始めてすぐから連絡が取れなくなったんだよ。メール返って来ない、電話も出ない。
「捨てられた(笑)」
猫――いや、そういうんじゃない。単純に俺に三行半をつけたんだろう。
「同じじゃないですか」
猫――同じじゃない。捨てたとか言うと、彼女の性格が悪いみたいになる。俺の足らぬが原因だ。
「連絡が取れなくなったりしたことが一層貴方の心を苦しめたと」
猫――すっかり頭が狂ってね、鬱病めいて薬も飲んだよね。全く勃起しなくなって遅漏にもなって、仙人めいた生活が始まった。
「壮絶ですね」
猫――その頃かな、ピンクローターを肛門に突っ込んでオナニーを始めたのは。射精が早まるんだよな、あれ。
「最低ですね」
猫――ハッキリ言って、あの時の自分より酷い男って、いないんじゃないかと思う(キッパリとした表情で)。
「他にも最低談はないんですか」
猫――いやあの頃はさ、てか今もあんまり変わらないんだけど、一部の友人にはもうその女をいかに好きかっていう話しかしないんだよな。だからもう、毎回話の内容が全く同じなの。全く。ただただウンウンと聞いてくれていた友人には本当感謝しているよ。もし立場が逆だったら、俺途中で聞くの面倒になると思うわ。
「うわー最低絶対一緒に飲みたくない(笑)」
猫――いや、お前何回も飲んでるじゃん。知ってるだろ。
「知ってるけど、一応知らないフリして何でも聞かないと。インタビューですから」
猫――そうなの。いや俺もさ、恋愛が人をこうも狂わすかっていうトコロでさ。びっくりしたもん。華原朋美とかさ、同情するよ。ラリるのも分かる。
「ラリりました?」
猫――パキシルって抗鬱の薬があってね、俺はそれを通常の3倍服用していたんだな。あとは漢方の精神安定剤も飲んでいた。そんなだからもう、出社しても目がドロドロなの。妙にテンション上がりまくることとかあってね、強力なびんぼう揺すりで会社のPCの電源落としたこともあったな。コード踏んづけて。あと、風呂場でUWFのテーマ歌いながらシャワー浴びたりするんだ。それで田村対ヘンゾだっけかな、あれで田村がUWFのテーマで入場してきたこととか思い出して泣くの。ついでに爆勝宣言とかホールドアウトとかトライアンフを口ずさんで更に泣く。
「本物じゃないですか、怖い」
猫――まああの頃には色んな不幸が重なっていてね、それが一層狂気に拍車をかけたというか。
「色んな不幸って何ですか」
猫――親が逮捕されたりね。
「ハァ?」
猫――結局不起訴だったんだけどね。まあ細かいことは喋れない。そっからだね、警察を完全に信用しなくなったのは。
「長くなってきたんでここで一度切っても大丈夫ですか?」
猫――切るって、切ってどうするの。繋げるの?
「いや、何個かに分割してブログに順次アップするっていう」
猫――まじかよ、嫌だよ、素人のインタビュー聞いて誰が得するんだよ。放っておいてくれよ、もう辞めるんだから。
「最後だからいいじゃないですか、元々こういう自虐のブログだったじゃないですか」
猫――参ったなあ(笑)。
「何笑ってんですか、キモいなあ」
猫――お前、犯すぞ。
「じゃあギャラは私のカラダでどうですか」
猫――いいの?
「いいですよ」


 というわけで、続きます。

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