スポンサーサイト

  • 2015.10.23 Friday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


猫木氏ブログをやめる⑤

「面白いことありましたか」
猫――何線だったか忘れたけれど、電車の吊広告に川柳が幾つかあった。コンクールの優秀作品であるらしい。はじめこそ感銘を受ける何物をも見つけることはなかったが、『見渡せば 携帯電話の ショールーム』という句を詠んだ人間がホレイショという名であることに気付いてだな、これは風刺、感心した。ホレイショというのはハムレットの親友だが、この詠み手の引用元はシェークスピアではなく藤村操の辞世句だと俺は踏んでいる。曰く不可解でお馴染みのあれだ。電車内すらもが資本主義にまみれている現代を嘆いては、名前と句に皮肉を籠めぶつけているというわけだ。高等だよ。鉄道会社側が本意に気付かず掲載しているところにユーモアがある。高踏だよ。そうして面白いだろ。
「ごめんなさい、全然面白くないんですけど」
猫――何が面白いのだ。
「頭を使わなくても良いもの」
猫――白楽天みたいなことを言うな。あの偉大なる詩人は、紡いだ詩を無学の民に聞かせては、理解されぬ語句があればその都度平明に書き直していたそうだ。誰にでも分かり且つ誰もがおかしい、確かにこれが最善であることは間違いない。
「ふん」
猫――とはいえ漢詩には厳密なルールがある。ひらたくする中にも天才の技というものが随所にちりばめられている。
「はあ」
猫――まあ、この話はきっとつまらないからやめておこう。
「空気の読めるはげ」
猫――のみならず詩も詠むからうざったい。
「パワーストーンの娘、どうなりました?」
猫――変わらずクリスマスに会う予定ではあるのだが、前回逢瀬を楽しんでからの時間が空いてしまったせいか、双方に熱情の冷え込みが見られる。
「まずいじゃないですか」
猫――うむ、しかも絶対に俺のこと好きじゃないからな、彼女。
「ダメじゃないですか」
猫――加えて俺も好きじゃないんだなこれが。
「なお悪い。意味あるんですか?」
猫――忘却の手段として書き換えを試みるつもりだったのだが。このままじゃ会わない可能性もある。何せ冷え込みが凄いんだな、ここ数日間。ギャラ不払い問題その他、万障繰り合わせて待ってはいるのだけれど。
「結局待ちなんですか(笑)」
猫――黒塗りで横付けしてさらっていくような身分ではないから。
「極端過ぎますよ」
猫――しかしこの状況を指して幼児虐待と呼んだ女性もいたわけだ。例の女性を忘れたいがため、取っ替え引っ替えに他の女性をあつらえては、やっぱ無理別れようの如きを繰り返し、結局それら女性達当分引きずるであろう傷心を負わせる自分の姿をだな、負の連鎖と呼ぶ大人の女性がいた。
「なるほど」
猫――まあ、そんなことはとっくの昔から気付いているわけで。思えば自分だって某かそのような渦に呑まれて今に至っているわけだから。おっとメールが来た。
「誰ですか」
猫――パワーストーンだな。会うのやめようとのこと、こいつはガビーンだぜ。
「笑」
猫――タイ料理屋の予約をキャンセルしないと…。
「プレゼントの用意はなかったんですか」
猫――そんなに高級なものをあげるつもりもなかったしな。せいぜいが画集か詩集。ビジュアルバムはあげない。だって…複数の女に同じものをあげる男は頭がおかしい。
「画集、詩集って。勘弁して下さいよ」
猫――芸術をバカにしちゃいけないよ。誰だって、貰って嬉しい本くらいある。
「じゃあ前の彼女から貰った絵本、どうしたんですか」
猫――ああ、読む前に捨てたわ。いや、まだあるかな。分からん。
「外道ですね」
猫――あれを俺に渡す時点でおかしいんだよ。書物というのは精神の装飾具だ。だから相手に似合うものを選ぶべきだ。よっぽど己の個性に自信があって、それを押し付けたいのなら話は別だがな。しかしながら俺には、美女にステテコをあげるような度胸はない。その点、大昔の彼女はプレゼントに仏像の頭を寄越したことがあって、分かっているなと思ったよ。
「私、貴方に絶対プレゼントしたくないって思った」
猫――いや、本来プレゼントってそうあるべきだろう。良く知る相手だからこそ、値段こそ安いが痒いところに手が届いたような気の利いたものを渡せるし、渡したいと思うんじゃないのか。別に何を貰ったって嬉しいんだぜ。ただ、プレゼントというものに価値を添えるのがカネだけじゃないとするなら、それにかわるはセンスであり、思いやりであるはずだ。
「理屈っぽい」
猫――お前が何も考えていなさ過ぎなんだろう。
「普通そこまで考えない」
猫――男女って、あれだな、圧倒的に男のほうがロマンティックだよな。
「でもそのロマンティックを男に与えているのは私達女のコでしょう」
猫――確かにそうだ。ロマンティックあげるよ※、とは良く言ったものだ。実際、例の女性には人生五百万回分くらいのロマンティックを貰ったからな。おかげで頭がバカになりました。
※ドラゴンボール
「何で男の人ってそんなバカなの?」
猫――男をバカだと思っている女性がバカだという意見もある。
「そうなのかな」
猫――男という生き物はだな、どんなに強がろうが結局、女性がいないことには生きていくことが出来ないんだ。それを逆手に得意気になられても、こちら困ってしまうぜ。たまに弱気を見せたところで、はいはいしょうがないね、それっくらいの甲斐性が欲しい。君ら女性は男にとって必要不可欠の存在なんだから、その圧倒的な有利を分かって欲しい。いい女というのは、その有利を分かっていながら強いて威張ってこない性質を備えている。奥ゆかしさだ。これはMとかSとかそういう話じゃない。
「いいえ、凄いM」
猫――ばか、違うんだよ。Sの男だからって、女なんぞいなくて良いとは言わないぜ。これは男性性の特質だ。男がみなマザコン的であるというのはつまりこういうことだと思うんだよな。女性というものを母親に置き換えた場合、ずばりだ。
「でも女性だって女性だけじゃあ生きていられないでしょう。別に私達だけが有利ってわけじゃないと思う」
猫――それは俺は女性じゃないから何とも言えない。しかし君らは産むことの出来る人間であり、俺らは出来ない人間、一方通行的に生まれてくるばかりが能の人間だ。男女間の決定的な差はそこだ。1960年以降、男女平等を求めるウーマンリブ運動が勃興、男性同様の労働条件その他、先達の逞しい活動によって近年ようやくそれら成就しつつあるが、考えてみてくれ。なるほど女性は産まないことで【社会的な意味】においては男性になれるかもしれない。しかし我々男性は、決してなれんのだぜ。どれだけ産みたくとも産めない。女性の権利ばかりが伸張してくれば、今後はリバースディスクリミネーション、つまり逆差別みたいな事態が勃発するだろう。現に、無職男はニートだが無職女は家事手伝いという不可解な認識のあるせいで、同じ無職であるにもかかわらず、男は就職により苦労している。家事手伝いという概念は出産というカードを持っているが故に成立するものであって、それは男には永劫備えることは出来ん。
「はぁ」
猫――祭りのポスターに中年の脇毛が映っているのがわいせつだとかいうので撤去されたりもしたな。あれなんぞは全くもって不可解だ。精神的な苦痛と言うのだろうか。しかし男は男で精神的な苦痛を与えられているのだぜ。例えば町中の若い女は夏になればローライズで尻の割目をがっつりと出している。触ったら当然逮捕、しかし男に女以上の性欲が備わっているなんてことは社会的に自明であって、どうして慮られるのが女ばっかりなんだよという意見が出てきたら、これは同次元の問題だと思うんだよな。屁理屈みてぇな理屈だが、フェミニストの理屈がそもそもからして屁理屈ばっかりだから、男もこういうくだらないことを言わざるを得ない。こうなったら泥仕合だ。だからこそ、女性にはもっと鷹揚と構えて欲しくある。
「んー」
猫――我々男が男という生き物から脱却出来ないように、女だって女でしかないんだよ。だから、出産可能である肉体を持つが故、当然女性特有の問題というものが出て来る。男と同じ土俵で勝負したい人にとっては出産という機能は邪魔になろうし、一方怠けたい人にとっては絶好のカードとなる。たとい産まなくとも、産めますという在り方そのものが、必然的に甘えを許すからな。
「なるほど」
猫――だから、女性性を否定するも肯定するも、揉めている相手は男というよりむしろ、同じ女なんだよ。その女同士での内ゲバはところがメリットを享受したい人間とそうでない人間とで永遠に平行線を辿っている状況だ。足並み揃えてもらわないと、こちら男としては対応のしようがない。ジェンダーを超えた全くの平等なんぞというものを本当に女性が望んでいるとは思えないから、足並みが揃うこともないだろうがな。
「で、何が言いたいのでしょう」
猫――女性は貴いということだ。
「女大好きですね」
猫――ちょっと違うな。女、というよりむしろ美だな。
「美、ですか」
猫――オスカーワイルドの言葉を借りれば、善良であるよりは美しくあるほうが優れているし、容貌という魔法だけでそのおこないが優しく、愛すべきものに変わる。
「美人に甘過ぎやしませんか」
猫――いいんだよ。魅力的な人間とは甘やかされた駄々っ子である、ワイルドはこうも言った。努力とかそういうものを超越してだな、貴いものってのがあるんだよ。
「それが彼女ですか」
猫――天恵は選ばれた者にのみ宿るからな。そういう人間を目の当たりにした時、それまで最も大切なものが自分自身であったところが、たやすく価値崩壊を起こすのだぜ。
「どうなりますか」
猫――『我思う故に我あり』だったところが、『彼女我を思う故に我あり』となる。
「彼女なしではいられないというわけですか」
猫――そういうことだ。
「もういないじゃないですか」
猫――さいしょっからいなかったという説が大勢だ。
「どうするんですか、クリスマス」
猫――昼キャバ行って、夜キャバだな。
「不毛!」
猫――嘘だよ、実はアヒルボートに乗っている最中に大事故に見舞われた友人がいるから、つきっきりで介護しようかなと思ってる。
「あ…」
猫――まあ、嘘だけどさ。
「大丈夫?人として」
猫――その台詞、前にも彼女から言われたことがあるよ(晴れやかな笑顔で)。
「歯ァに肉カスついてますよ」


 続きます。

 

猫木氏ブログをやめる④

「大分疲れているみたいですね。何かありましたか」
猫――先週は祖母の緊急手術から何からの用事のために静岡へ帰っていたんだ。で、週末には久々のスポーツをした。疲労が半端じゃない。
「スポーツなんかするんですか。色白剛毛の肥満体が」
猫――するよ。昨日はテニス、ビリヤード、釣り、ゴルフ…。
「一杯やってますね」
猫――あとはボクシングとクレー射撃、ロデオもこなした。牛が速いんだこれが。
「?」
猫――まあ、wiiなんだけどさ。
「ばかみたい。スポーツじゃないですよ」
猫――いやいやこれがスポーツなんだよ。欧米ではwiiのやり過ぎに注意なんて警告が出ているくらいだからな。見くびっていたけどさ、wiiは凄いよ。パーティーゲームの王者だ。おかげで腕パンパン。今日はマッサージに行っちゃった。
「またいつかみたいにピンサロですか」
猫――普通のアロマめいたエステだ。そういえばあの女性もマッサージ大好きだったなと思って、真似してみた。
「しつこくなってきましたね、それ。で、どうでしたか」
猫――割と若い女性が揉み手でさ、それはいいんだがちょっと下手糞だったな。揉み返しで筋肉痛が倍加した。しかもなんだかんだ1万5千円だぜ、高いよ。
「高いですね」
猫――女性客もちらほらいるようなごく普通のマッサージ店だったんだが、揉まれているうちに男性自身がグングンとしてきてだな、その場で口説き落として性処理をさせたんだ。それ自体は無料でやってくれたんだけど延長料金をとられて。遅漏なんだよな、元来からしてが。
「そんなことって出来るんですか?」
猫――出来たよ。スカートもじゃんじゃんめくったよね。下着は青かった。
「地球みたいに言わないで下さい」
猫――ああいうところの人ってあからさまな嘘を言うんだよな。細いですねとか。
「言われたんですか」
猫――こんなキューピー体型、細いはずがないんだがな。あんまり褒め上手なものだから、五七調で口説いてみたりもしてね。
「落ちましたか」
猫――笑っていたな。散文的に。
「ハイロウズ」
猫――そう。しかし韻文的に笑ってこそ粋だとは思わないか。
「韻文って何ですか」
猫――韻文というのはまあ、五七調だよ。対にあるのが散文で、形式にとらわれない普通の文章のことを指す。昔は詩にせよ何にせよ五七調が多かったんだ。日本語のリズムと言ってもよい。すっかり廃れたけどな。韻文的に笑って欲しかったというのはつまり五七調には五七調で返してくれたら良かったのにというじじいの願望だ。あ、ちょっと。
「何ですか?」
猫――いや、今金玉の裏の匂いを嗅いでみたんだが、甘ったるい。オイルが残っているんだろうな、しっとりしているよ。
「そんなこと説明しないでください」
猫――もうすぐクリスマスだ。
「去年は何をしていましたか」
猫――ブログを読み返す限り、イヴには飼い犬のことを論じ、当日には形骸化した結婚式に関する批判を展開している。日中のことは覚えていないが何もなかったはずだ。
「かわいそう」
猫――しかし今年は予定がある。
「あの女性?」
猫――そんなわけがない。が、美人の等級で話せば相当に高くある。勉学にも前向きで、頭の回りも悪くない。ただ、
「ただ」
猫――腕にパワーストーンをはめているんだよな。これがどう出るかだよな。
「パワーストーンて何?」
猫――よくエロ本なんかにのっているだろう。バスタブに万札が敷き詰められていて、それに不細工の男が埋もれているやつ。短小早漏でニートのデブだった僕ですが、この石のおかげで宝くじには当たるわIT企業の社長になるわで女のコにもモテモテ、チンコが皮を破ってムキムキになる一方体重は30キロ減、ベルトの穴も追いつきませんとかいう。
「それはいけてない」
猫――パワーストーンを装着している理由を聞いたところ、そういう運気の類いを求めているのではないらしいことは分かったんだけど、いずれにせよまずくてさ。
「どうまずいのでしょう」
猫――遠赤外線が、とか言うんだよ。俺は石のことなんか良く知らないけど、遠赤外線はないだろう。疑似科学だろうあんなものは。
「本人が信じているのならそれでいいじゃないですか」
猫――せっかく顔も服装も可愛らしいのに、パワーストーンをつけていたらその魅力も半減というかさ、マイナスに作用する小道具ってばからしくないか。
「変なところで神経質ですね、自分は顔も服装も汚らしいくせに」
猫――ただまあ逆を言えばパワーストーン娘だったからこそこちらの垂れる、餌なし欲望むき出しの釣り糸にもかかったというかね。こんな女性がこんな男をというところではある。ただ、パワーストーン…。別にいいんだけどさ、いややっぱり良くないな。災禍の根源となる予感がある。あれを好む精神性はきっとで俺と相容れない。もっとも、進展すればの話だが。
「あれだけ喚いていた例の女性から、心変わりしたのですか?」
猫――あだ名はスイッチ先生だからな。江崎教授な、江崎コロ助。こち亀だよ。
「今日はどうでもいいつまらない小ネタが多いですね」
猫――そうでもしなけりゃやっていられぬ時だってあるだろう。久々に高円寺に帰ってきて、たいへん切ないことがあったんだ。
「どうしたんですか」
猫――便所を流すアレあるだろ、あの銀のレバーみたいなやつ。あれがさ、戻り切らずに変な角度で固定されていたみたいで水がチョロチョロ出っぱなしになっていたんだよ。浸水害の如きには至らなかったが、水道料金がもったいない。水をそのままドブに捨てたようなものだよ。
「いや、喩えになっていませんよ。そのままじゃないですか」
猫――嫌なこと全部、水に流れてしまえばいいのに。
「うまくないですよ」
猫――まあ思い出を水泡に帰すようなことはしたくないがな。
「意味違いますよ」
猫――じゃあ何だって言うんだ!
「それを聞いているんですってば」


 もう少し続きます。

猫木氏ブログをやめる③

「12月8日にはジョンレノンのイベントに行ったそうですが」
猫――毎年行っているから。惰性みたいなものだよ。
「へえ」
猫――ボニーピンクって知ってる?
「はい」
猫――峰なゆかってAV女優がいるんだけど、ボニーピンクは彼女ソックリだな。本当ソックリだった。宮崎あおいもいたけれど、俺は断然ボニーピンクに軍配を上げる。
「アゴ出てますよねボニーピンク」
猫――いや、俺は顎に気骨のある女性、好きだから。顎でアナルをぐりぐりされたら、良い感じなんじゃないかきっと。そんなことをずっと思っていたよ。
「何かもっとジーンとするエピソードはないんですか」
猫――ヨーコ・オノが音頭をとっているから色々コンセプトはあるんだよ。例えばペンライトとか。モールス信号にヒントを得たとかいうやつで、点滅させることで『i love you』を表現するんだ。それをだな、会場中がやるわけだ。アリーナから二階へ! とか言って。
「暗い会場がロマンチックに光るんですね」
猫――まあそうなんだけどさ、俺は当然そんなことやらないから。みんながペンライトの光に『キャー』とか『キレーイ』とか言う間はだいたい携帯電話をいじっていたな。一人だけ異なる光を発する。
「嫌な感じですね」
猫――何せジョンの命日だからさ、イベント自体が非常に思想的なんだよ。我らに平和を、みたいな。俺そういうの大嫌いだから。まあ収益で後進国に学校を作ったりしているわけで、俺の金がそこに渡るのは、これは好ましいことだ。でもそれを肯定することと、会場のカップル達と共に涙を流すことは別の話。しかしながら人間はひとたび徒党を組むと権力を持つわけで、一見冷笑的な俺なんかはあの会場の中では爪弾き者のわけ。気持を共有しろよバカみたいな雰囲気が感ぜられる。ジョンは権威を否定することで地平を拓いたのに、お前らジョンを権威に持ち上げて、何やってんのって思うよ。
「貴方が言うと全て嫌味に聞こえる」
猫――知らねえよ、でも俺達はキリストを超えたなんて言ってみたり、障害者のマネをしてみたり、何かと奇抜なジョンの思う平等という観念はやっぱりね、覚悟が必要な類いだと思う。
「一番良かったのは誰の どの曲ですか」
猫――今回はあんまりピンとこなかった。でも民生は良かった。声が良いもの。あとはボニーピンクとラブサイケデリコの人。ところでラブサイケデリコって何人?
「日本人じゃないんですか?」
猫――英語が上手でさ、でも日本語も英語なんだよな、五母音の枠を超えていた。面白かった。
「トリは誰でした?」
猫――静岡の生んだスーパースター、吉井和哉。
「どうでした」
猫――ちょっと手抜きを感じたな。去年ヘルプを歌って、またヘルプだった。あとはゴッドという曲をやった。これは一番好きな曲なんだけど、笑った。
「どうして」
猫――途中、僕はディランを信じないという歌詞があるんだ。ディランの本名はジマーマン、曲の中では『ズィママン』くらいに発音されるんだが、吉井はこれを『ズィママママン』と歌った。マぁが多すぎてさ、ロジャーダルトリーじゃないんだからそんなにためるなよと思った。
「意味が分かりません」
猫――途中VTR出演したショーンが全くトゥーリオみたいな顔面になっていたりさ、笑いどころは沢山あったよ。でもショーンの新曲、あれは凄く良かった。感動した。
「笑いあり涙ありと」
猫――涙はなかったけどな。でも笑いってのは緊張と弛緩から生まれるものだから、みんなが張りつめている中でヨーコ・オノが胸の谷間を強調していたら、そりゃ笑ってしまうよ。あの人ジョンみたいな顔になってきたな。夫婦ってやっぱり似るのな。俺ももっと美人と付き合っていれば男前になったんだろうか。
「本当、女性の敵ですね。美人て例の女性ですか」
猫――うむ…。でもあれだな、逆を言うなら、彼女が俺に似てしまっては、これは問題だ。人類の宝をみすみす腐らせてはならん。今の俺、仁義なきたたかいの梅宮辰夫みたいな顔のハリをしているから。こんな風になってもらいたくはない。
「パンパンですよね」
猫――パンパンだよ(涼しい顔で)。
「最近何をやっているんですか」
猫――それが問題なんだよ。
「どういうことですか」
猫――つまりだ、彼女の面影浮かぶあらゆるに触れたくないんだよ。だから彼女の無関心の分野にのみ、俺の居場所がある。
「沢山ありそうなものですけど」
猫――いや、まず谷崎ない。で、ダウンタウンもない。彼女は黒人音楽派だったから音楽は自由かと思っていたけど、何故だかルーリードの映画、レイトショーを観に行ったとかいう話も聞かされたから、白人ロックもこれで消えた。
「誰と行ったんでしょうかね」
猫――俺に聞くなよ。まあとにかくそうやって潰していくと、ほとんど何もないんだよ。古文についてもちょろちょろと話をしたし、何しろ彼女は貴族の様相、典雅や耽美の類いこそは避けねばならん。漢詩にしたって彼女は中国語に達者であるから、書き下しているうちに涙で辞書もふやける。
「何言ってるんですか」
猫――きまぐれオレンジロードのアレもラムちゃんもしずちゃんもだな、あらゆる目の大きい可愛いヒロインは彼女のイメージを内包しているから、もうそういうわけで残されているものといったらアントニオ猪木しかないんだよ。それかジャズ。ああジャズも黒人だった。
「猪木しかないんですか」
猫――あとドラゴンクエスト。
「やればいいじゃないですか」
猫――しかし主人公を彼女の名前にしてしまう可能性、これは否めないぜ。いやむしろ仲間をみんな彼女の名前みたいなものにしてしまう。ハーレム。
「文字だけで彼女を連想してハーレムですか。切なすぎますね」
猫――だからもう小説なんて全く読めないよね。
「何をしているんですか」
猫――最近はドイツ語の文献を眺めているよ。ヘッセのデミアン。
「読めるんですか」
猫――いや、単語一つも知らないからただただ眺めているんだ。でもきつくなってきた。というのも、アルファベットに西洋の風を感じて、西洋といったらやっぱり、彼女じゃないですか。
「もう何もしなくていいんじゃないですか」


 続きます。

猫木氏ブログをやめる②

「色んな不幸があったという話」
猫――うん、さっきも言ったけど親が逮捕されたりね、あとは猫も死んだしさ、車に轢かれて。
「落差が激しいように思います」
猫――ばか、どっちがだ。親はいいんだよ、良くないけどそれでも生きてるから。不起訴だったし。猫は死んでしまったんだぜ。死んだものは戻ってこないところが辛いよ。生きていればどうにでもなる。あと車が潰れたな。短期間で2台も潰れた。
「車」
猫――そう。はじめ日産のフィガロっていう車を買ってね。ある晩に友人と湾岸の砂利道をドコドコ走ったことがあったんだけど、それが悪かったのか数日後にエンジンが焼けた。高速で徐行みたいに遅くなったと思ったら動かなくなってね。廃車だよ。
「二台目は」
猫――ベンツを買ったんだ。1964年の縦目ベンツ。あれは内装も格好よくてさ、気に入っていたんだけどオイルがガソリンと一緒に燃えるんだよ。だから後ろはもうもうと黒煙舞い上がる具合でさ。車内も夏となれば泡噴く暑さでね。いつ壊れるかと思っていたら半年もせずエンジンが死んだ。廃車だよ。ああ、それからもう一台買ったんだ。
「三台目?」
猫――そう、最後のはマーチでさ、金もないじゃない。だから静岡中を巡って一番安いやつを買った。カナブンみたいな緑でさ、7万円。
「安いしダサいですね」
猫――窓を手で開けるタイプだった。それは最後までよく走ってくれてたんだけど、俺が東京に出てから暫くして、親戚の知り合いとかいう縁遠い人が勝手に乗り始めてね、車検切れを迎えて廃車だよ。
「なるほど。ところで何でいきなり編集をやろうと思ったんですか?」
猫――文章の面白さに目覚めてしまったんだきっと。学生時代から本を読んではいたけど、自分はだいたい人文科学に没頭していたから思想的な影響こそあれ、この人みたいな形式で文章を書きたいのような思いは全くなかった。でもブログをやるうち山本清風という人間に巡り会って衝撃を受けた。そこで初めて文体の価値を知ったね。なるほど文章にはネタの他にも読ませる術があるのかと思った。文字の奥深さを知った。
「文体」
猫――作家には、一流どころの人となれば独自の文体というものがある。ジミヘンにはジミヘンの音があるのと同じくだ。それでね、俺は自分の文章と清風さんのを読み比べて、明らかに足りない様々に気がついて、がっかりしたの。それからようやく小説を読み始めた。22歳。
「何から読みましたか」
猫――まず太宰だったな。読みやすかった。内容的にも男がこんなだらしないこと書いても許されるのかと感心したね。本棚に全部揃ってるのは今でも太宰だけじゃないか。
「他には誰を」
猫――あとは有名どころをさらっていった。小説は読みやすいからいいよね。ヘーゲルの大論理学とか、すげえ時間かかった上に何が書いてあったのか全部忘れてしまったからな。
「インテリぶっていたんですか」
猫――教授の挙げ足とりに命を賭けていた部分とかあったな。偉い人の鼻を折るのが好きだったんだな、あの頃は。
「腹立ちますね」
猫――笑かすか、腹立たせるかの二択だから。そうして友人もおのず洗練されていった。
「どんな人が残りましたか」
猫――童貞とかスカトロ好きとか、残ったよね。
「どんな人が去りましたか」
猫――世界中を飛び回る証券マンとかは、去ったな。
「ダメじゃないですか」
猫――ダメなもんか。
「お気に入りの作家は見つかりましたか」
猫――色々あるが、谷崎潤一郎で決まりだ。
「作品は」
猫――細雪だ。口語体であれに勝る小説はむこう100年現れないと見ている。
「何がそんなに凄いんですか」
猫――色々だ。強いて一つ挙げるのなら、視点の遠さだ。あの作品は三人称視点なんだが、それだけに太宰得意の一人称なんかと比べるとリアリティに欠けるというか、微細に及んだ描写が少ない。ただ、その遠さが絶妙なんだ。ただ三人称というだけではない。あれ以上近くなったら姉妹の美しさが半減するし、遠すぎてもピントがぼける。ギリギリだよ。あのテンションを保った谷崎はあの瞬間においては確実に世界一だ。
「はぁ」
猫――あの作品はね、文字にして映像だ。唯一、何度も何度も読み返した小説だ。言葉の美しさとかその類いは今更褒めるまでもない。永井荷風にしたって、「どんなグロテスクな状況を描くにせよ、谷崎氏はそこで考えられうる語彙の中から最も美しい言葉を選ぶ、故に芸術に至る」みたいなことを言っている。いや、ちょっとは違うだろうがな、あくまでニュアンスとして。
「細雪は舞台を観に行っていましたが」
猫――ああ、舞台はな、小説には勝てない。ただ、うむ、頭が痛い。
「どうしました」
猫――いや、その舞台に一緒に行ったのが、他ならぬ例の女性。
「まあ」
猫――最前列でさ、観たんだ。壇れいとか出演していたけれど、隣に座る女性のほうが圧倒的に美人だったな。
「未練タラタラじゃないですか」
猫――事実だから仕方ない。
「谷崎作品を読んで思い出したりしませんか、彼女のこと」
猫――いやいや彼女しか思い出さないよ。谷崎はね、基本的にどの作品も骨子が同じなの。弱い男が悪魔的な美を備えた女性に狂うという、ひたすらそればっかり。思い出さないはずがない。
「痴人の愛」
猫――そうなんだよ。その女性とね、ある時、一緒に本を読んで感想を言い言いしようとなったんだ。それで俺が丁度卍を読み終えたばかりだったから次は痴人の愛をと思っていたから、一緒に読んだんだよ。
「彼女はナオミでしたか」
猫――それは分からないが、俺がジョージだったことは間違いない。
「狂ったんですか」
猫――しかし彼女は言うわけだ。ナオミはともかく、ジョージは最低と。俺はそれを聞いて、ハラハラしたね。ジョージここにいるんですけどって。
「そう言いましたか」
猫――いや、ジョージねえよな、うんジョージないわ、の具合に迎合した。
「本当ダサいですね」
猫――谷崎を好きっていうのは、根底に彼女の影響があると思う。
「じゃあ彼女のことをキライになったら谷崎熱も冷める」
猫――いや、それはないだろう。そもそも、彼女のことをキライになるというその状況が全く想像もつかない。
「貧弱な男だなあ」
猫――だからブログやめるんだよバカ。
「彼女は年上ですか」
猫――年上だ。
「何歳ですか」
猫――それは言えない。いや、悪い意味とかじゃなくて。
「なんかプレゼントとかしたことありますか」
猫――あるよ。
「何を?」
猫――ビジュアルバムだ。俺の所持品の中でもあれは最高峰の宝物だったのだが。誰に頼まれても絶対にあげないが、彼女だったから、あげた。定価の百倍くらいに見積もっていたからな。ストラトよりも大切にしていたよ。
「そんなものを何であげた?」
猫――いや、元気がないと言っていたから、これを見て元気出せと言った。
「喜ばれました?」
猫――そう捉えている。
「はは、きも」

 続きます。

猫木氏ブログをやめる①

『私も赤貝になりたい』
 猫木氏からこんなメールをもらって彼宅に伺うと、彼は裸で宅配ピザを食べていた。
「セクハラ?」
「いや、ブログやめよっかなって」


 というわけで、彼はもうブログをやめてしまう。私は枕元にテープ起こし用のレコーダーを見つけ、即座にRECを押しました。いきなりのブログ終了発言にいたる経緯を聞いておきたかったから。そして、このブログを見ている人達にも説明しておきたかったから。ここから先は、彼と私の会話のやりとりです。


「どうしてやめちゃうんですか?」
猫――書きたくないというか、書けないんだよな文章がこれ以上。
「原因はあるんですか」
猫――思考が引っ張られてしまうというか。
「原因は」
猫――何をやっても集中出来ないんだよね…。もうこんな状態が3年続いているよ。
「だから原因は」
猫――失恋というか、何というか。
「彼女?」
猫――いや、彼女ではないな、確実に彼女ではない。
「誰ですか?」
猫――誰って、名前とかは言えないよ。
「どんな人ですか?」
猫――度を超えた美人というか、日本人離れしたというかね、文字通り。
「どうやってそんな人と知り合ったんですか?」
猫――まあ、話せば長くなるんだけど、簡単に言えばブログだ。当時俺は静岡に住んでいて、あの頃は色んな鬱屈が溜まっていてさ、気違いみたいな文章を紡いでいたんだ。今よりもずっとこう、初期衝動的な。俺の隣で屁をしたガキに屁を仕返してやりましたみたいな。
「それは酷い」
猫――ところがだ、そんなブログだったことが幸いしてか、読者は割と多かった。コメントも20とかね、景気良かった。始めた動機にも過激を求めるみたいなところがあった
から、みんなキワモノを見る具合におかしがっていたんじゃないかな。ブログもぜんたい黎明期みたいなところがあって、面白いものをブログに求めるって風潮があったよね、今よりは。素人が調子に乗っていて、自分も大いに調子に乗っていたよね。
「はあ」
猫――それで、そうこうするうちメールを寄越してきたの。或る女性が。その時はまあ、それ以前にも何人か会ったりしていたから。またその類いかなと思ったんだ。
「ブログの出会いってどんなですか?」
猫――いや、普通だよ。互いに面白がって会うわけだから、話も合うし。世に散らばる社交的でない文化系人間も、ウェブを通じればこうもたやすく繋がるかと思ったね。
「で、その女性に会ったと」
猫――そう。彼女は東京人だったから自分は車を走らせてね。二子玉川に集合したのかな。俺方向音痴だから土地勘がないところには行けないんだ。二子玉は家賃が高くてさ、自転車も2回盗まれたしまずろくでもなかったな。友達も二子玉に越してからは全く寄り付かなくなったね。徒歩20分だからな。いやー二子玉は…(以下略)
「二子玉はどうでもいいです。で、彼女に実際に会ってビックリしたんですか」
猫――ビックリしたなんてもんじゃないよ。今でも覚えてるわ。あー、思い出したらまた頭が狂ってきた。
「しっかりして下さい」
猫――いやいや、まじで。
「まじで、じゃないですよ」
猫――まあそうなんだけどさ。とにかく、理想の女というものがこの世に存在したことにまず衝撃を受けたんだ。あれは凄かったな、なんだこの人と思った。
「そんなに美人なんですか」
猫――のみならず、頭も抜群に冴える。自分よかよっぽど聡明でさ、そりゃ頭の良い女性なんて腐るほどあるが、あの美貌にこの知性かってね。完璧だった。だいたい、自分の周囲の頭の良い女性ってフェミニストばっかりだったんだけど、この人は全然違ってね。男を立てるんだ。下ネタ的な意味にもね、立てる女性だよ。それまでカエラカエラって言っていたけど、あれからはもうめっきりカエラは自分の中でどうでも良くなってしまったな。
「じゃあその人はカエラに似てるんですか」
猫――いや、全然似てないよ。ただ或る一面においては似ている。
「一面て何ですか」
猫――それは言えない。
「でも理想がカエラだったのに全然似てないその人も理想ピッタリなんておかしくないですか」
猫――ばか、理想ってのは元来からしてが不定形なんだよ。定まらぬからこそ理想なんだよ。定めてしまったら現実の在りものと変わらないじゃないか。理想というのは非常に抽象的なパズルの1ピースみたいなものだ。彼女はつまり自分の理想を規定したんだよ。理想という抽象の枠を具象に還元し、そこにピッタリと嵌り込んだんだ。イデアが地上に落ちてきた、プラトンもびっくりだぜ。
「そんな掌編がありましたね、以前のブログに」
猫――最後の1ピースとか言ってね。懐かしいな(笑)。しかしとにかくだね、これは大変なことなんだ。代替不能の存在ってことはもう、誰が目の前に現れてもこの理想にピッタリ合致する人なんぞはあり得ないってことなんだ。
「つまり、手に入らなかったことに絶望しているんですか?」
猫――手に入るとか入らないとかそういう次元で話をすれば、そういうことにもなる。
「よく意味が分かりません」
猫――月に梯子はかからないというかさ、手に届く次元ではないのだよ、彼女は。
「負け宣言ですか」
猫――負けとか勝ちとかそういう次元で話をすれば、そういうことにもなる。
「よく意味が分かりません」
猫――だから、はじめっから、わあ有り得ん、そう思ったんだよ。しかしながら、俺はどういうわけか彼女と付き合えるような気がしてしまったんだな。
「勘違いですか」
猫――勘違いというか、簡単に言えば器が足りなかったってことだ。
「器が足りない?」
猫――なんかもっとこう、俺が強大なスーパーパワーだったり、目をくり抜かれてもそのまま会社に行けるような豪気の男であったらば、そうなれたかも分からない。でも俺はあれじゃないですか、器小さいじゃないですか。
「ええ」
猫――加えてルックス的にも、難あるじゃないですか。
「ええ、最近特に」
猫――そんなわけだから、無理だろう無理だろうと思いつつ、静岡に戻ってからも彼女と連絡をとり続けていたんだ。始めっからびびりまくり。そりゃうざったくもなろうよ。
「まさか親の会社を辞めた原因ってその人!?」
猫――違うよ、それはもっと前から決まっていたんだ。結果的に彼女の住む東京に行くことにはなったんだけどね。
「それで、東京に行ってからは彼女とうまいことなったんですか」
猫――それがさ、東京に住み始めてすぐから連絡が取れなくなったんだよ。メール返って来ない、電話も出ない。
「捨てられた(笑)」
猫――いや、そういうんじゃない。単純に俺に三行半をつけたんだろう。
「同じじゃないですか」
猫――同じじゃない。捨てたとか言うと、彼女の性格が悪いみたいになる。俺の足らぬが原因だ。
「連絡が取れなくなったりしたことが一層貴方の心を苦しめたと」
猫――すっかり頭が狂ってね、鬱病めいて薬も飲んだよね。全く勃起しなくなって遅漏にもなって、仙人めいた生活が始まった。
「壮絶ですね」
猫――その頃かな、ピンクローターを肛門に突っ込んでオナニーを始めたのは。射精が早まるんだよな、あれ。
「最低ですね」
猫――ハッキリ言って、あの時の自分より酷い男って、いないんじゃないかと思う(キッパリとした表情で)。
「他にも最低談はないんですか」
猫――いやあの頃はさ、てか今もあんまり変わらないんだけど、一部の友人にはもうその女をいかに好きかっていう話しかしないんだよな。だからもう、毎回話の内容が全く同じなの。全く。ただただウンウンと聞いてくれていた友人には本当感謝しているよ。もし立場が逆だったら、俺途中で聞くの面倒になると思うわ。
「うわー最低絶対一緒に飲みたくない(笑)」
猫――いや、お前何回も飲んでるじゃん。知ってるだろ。
「知ってるけど、一応知らないフリして何でも聞かないと。インタビューですから」
猫――そうなの。いや俺もさ、恋愛が人をこうも狂わすかっていうトコロでさ。びっくりしたもん。華原朋美とかさ、同情するよ。ラリるのも分かる。
「ラリりました?」
猫――パキシルって抗鬱の薬があってね、俺はそれを通常の3倍服用していたんだな。あとは漢方の精神安定剤も飲んでいた。そんなだからもう、出社しても目がドロドロなの。妙にテンション上がりまくることとかあってね、強力なびんぼう揺すりで会社のPCの電源落としたこともあったな。コード踏んづけて。あと、風呂場でUWFのテーマ歌いながらシャワー浴びたりするんだ。それで田村対ヘンゾだっけかな、あれで田村がUWFのテーマで入場してきたこととか思い出して泣くの。ついでに爆勝宣言とかホールドアウトとかトライアンフを口ずさんで更に泣く。
「本物じゃないですか、怖い」
猫――まああの頃には色んな不幸が重なっていてね、それが一層狂気に拍車をかけたというか。
「色んな不幸って何ですか」
猫――親が逮捕されたりね。
「ハァ?」
猫――結局不起訴だったんだけどね。まあ細かいことは喋れない。そっからだね、警察を完全に信用しなくなったのは。
「長くなってきたんでここで一度切っても大丈夫ですか?」
猫――切るって、切ってどうするの。繋げるの?
「いや、何個かに分割してブログに順次アップするっていう」
猫――まじかよ、嫌だよ、素人のインタビュー聞いて誰が得するんだよ。放っておいてくれよ、もう辞めるんだから。
「最後だからいいじゃないですか、元々こういう自虐のブログだったじゃないですか」
猫――参ったなあ(笑)。
「何笑ってんですか、キモいなあ」
猫――お前、犯すぞ。
「じゃあギャラは私のカラダでどうですか」
猫――いいの?
「いいですよ」


 というわけで、続きます。

calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
sponsored links
nekokiの本棚
twitter
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM